未知の世界5


あれから診察と検査を終えて石川先生と幸治さんと医局に戻ると、もう定時の終わりの時刻。





今日の当直のメンバーが医局長の前は並ぶ。







本当ならここからまだ仕事をしていきたい。分からないこともいろいろ調べたいのに…。カルテの整理も手伝いたいし。








「さぁさ佐藤先生、今日は初日ですし、彼女と帰ってもらえますか?」







その様子を見ていた私の隣で、石川先生が幸治さんにお願いしている。






『ぇえ、お先に失礼します。』






そう言うと、







『ほら、かな。荷物持って、着替えに行くぞ。』






幸治さんに促され、あれよあれよと言う間に帰る支度。





医局長やまだ医局に残る先生方に挨拶を済ませ、ロッカーへ向かった。