未知の世界5


「よしっ、じゃあ今日から検査をしてくから。分からないことがあればその都度聞いてもらえばいいからね。」






今日は午前中から検査入院。朝早くから準備をして、お母さんに病院へ送ってきてもらった。






前回とは違い、今日の診察室には進藤先生と石川先生だけ。






『心筋生検はカテーテルを使って、心臓の筋肉から移植した心臓の拒絶反応を見たり、合併症を検査することができる。
カテーテルは部分麻酔だから、痛みは何もないから心配するな。』






と石川先生から強く言われる。






そんなことを言っても心臓となると不安になる…。






『検査をするのは俺だ。
まぁ今日は血液検査や喘息の検査をしたら終わりだからな。
ちゃんと吸入するんだぞ。』





うっ…。読まれてる。私がちゃんと吸入しないだろうって。石川先生までそう思ってる。





「みんな知ってるよ。」






私の表情から考えていることを毎度のように読み取った進藤先生にニヤリとして言われる。





ほんと。何もかも知られていて恥ずかしい限りです…。






恥ずかしさから顔が赤くなっていることに気づき、うつむき加減で部屋に戻った。