未知の世界5


目を覚ますと朝だった。





瞼が重たい…。







「おはよう。」






同じ天井を眺めながら、幸治さんが挨拶する。






『おは…よう。






…昨日は…、その…ごめんなさい。』






「何が?」






ぇっと…。







「早く起きて来いよ。久しぶりに皆んなで朝食食べるぞ。」







そう言いながら起き上がり、軽く私の方に目をやってからベッドを下り、部屋を出て行く。








昨日はすごく泣いた気がする…。






どのくらい経っていたのか分からないけど。気づいたら寝ていた。







ただ、すごくスッキリしてる。








何か吹っ切れたのかな…。







グチグチ考えてた自分がアホに思えた。







いろいろ考えた。







心臓の病気のこと、移植のこと。






今の生活、今後のこと。







何が行けなかったとか…どうすれば良かったのか…とか。







そんなこと考えてたところで、何も変わらない。







今の生活が変わる訳でもないのに。








今やるべきことは、リハビリして体力付けること。それ以外のことは考えないようにすること…。







そんなようなことを、昨日幸治さんにもそれとなく言われた。






幸治さんには本当にかなわないや。