「かなちゃん、そろそろまた外に出てみてはどうかな?」 晩ご飯時に、前に座っているお父さんが尋ねてきた。 「…そうですね。」 どうしても乗る気にならない私は、曖昧な返事しかできない。 『あと数日で今度は入院して検査があるからな。』 と幸治さんが呟く。 そうだった…。忘れてた。 毎週入院して、心筋生検があるんだ。心臓の筋肉をカテーテルで採取して検査をする…。 カテーテルでも手術には違いない。 嫌だな。怖いよ…。 「かなちゃん…?」 お父さんが私の顔を覗き込む。 私は黙って食事を続けた。