未知の世界5


……っ冷たい!?






額に冷たいタオルが当たり目を覚ます。





「何無理してんだよ。」





怒っているのか心配しているのか、低い声で聞いてくる。




無理しなきゃリハビリなんてできないよ。だいたい、誰がリハビリしろって言ってきた訳…。






そう言いたいけども、言ったところで叱られるだけ。




「なぁ?聞いてるのか?」





あ、怒ってるみたい。





「…ごめんなさい。」






とりあえず謝る。





額のタオルを上からキュッと押す。





「熱があまりにも下がらなかったら入院だぞ。」





ぇえっ!?
また入院!?






そう思うと体の熱がぐっと上がった気がする。病は気からというくらいだから、気持ちが下がれば体力もぐっと落ちる気がした。






「はぁ、何やってるんだ。」





そんなこと言われても…リハビリ頑張らないとって思って、重い体を無理に外に出したのに。







ここのとこら、何だかネガティヴというかひがみっぽいというか…。何をしてもうまくいかなくて、こうなることも分かってて。叱られていても素直に反省して謝れない自分がいる…。







幸治さんが何か話すけど、私の返事があいまいなので少しして幸治さんは部屋を出て行った。