……っ冷たい!?
額に冷たいタオルが当たり目を覚ます。
「何無理してんだよ。」
怒っているのか心配しているのか、低い声で聞いてくる。
無理しなきゃリハビリなんてできないよ。だいたい、誰がリハビリしろって言ってきた訳…。
そう言いたいけども、言ったところで叱られるだけ。
「なぁ?聞いてるのか?」
あ、怒ってるみたい。
「…ごめんなさい。」
とりあえず謝る。
額のタオルを上からキュッと押す。
「熱があまりにも下がらなかったら入院だぞ。」
ぇえっ!?
また入院!?
そう思うと体の熱がぐっと上がった気がする。病は気からというくらいだから、気持ちが下がれば体力もぐっと落ちる気がした。
「はぁ、何やってるんだ。」
そんなこと言われても…リハビリ頑張らないとって思って、重い体を無理に外に出したのに。
ここのとこら、何だかネガティヴというかひがみっぽいというか…。何をしてもうまくいかなくて、こうなることも分かってて。叱られていても素直に反省して謝れない自分がいる…。
幸治さんが何か話すけど、私の返事があいまいなので少しして幸治さんは部屋を出て行った。



