再び目を覚ますと、部屋は真っ暗…。
ん?何時かな?
夜中ってことはわかるけど、さっき目が覚めた時間も分からないから、何時なのか検討もつかない。
また痛くて起きちゃった…。
手で辺りを探るけど、ナースコールが見当たらない。
「…ん?」
あ…
「か…な?」
目の前に幸治さんの顔。
ぅうっ……
会いたかった…
今度は鎮静剤じゃなくて、涙が邪魔して目の前の幸治さんの顔がはっきりしない。
「悪かったな。起きた時にそばにいれなくて。」
さっき…って何時間前か分からないけど、目が覚めた時のことを言ってるんだね。
私は、大丈夫だよ。
幸治さんが、今目の前にいてくれただけで。
「胸、痛いだろ…。
苦しくないか?
苦しかったら、手を握って。」
苦しくない、嬉しい…。
「わかった。そしたら、鎮静剤入れるからな。まだ夜中だから、もう一度寝なさい。」
まだ幸治さんを見ていたいのに。
胸の傷は痛むけど、それでもそばにいたい…。
「大丈夫。そばにいるから。」
その声を聞いて、再び眠りについた。



