未知の世界5


『はい、これな。』




隣から伸ばされた書類を見ると、石川先生がニタニタと笑っている。




『来週、俺と佐藤先生の入るオペの予定表。カルテはパソコンに入ってるから、ジュニアと確認しておけよ。
慣れてきたら第一助手にさせるからな』





ぇえっ!?第一助手って、そんなの私に無理だよ……。





一気に気が重くなる。こんなことならもっと療養しとけば良かった。





『ちゃんと頑張れよ、先輩っ!
後輩が前から見てるぞっ。』





言われたとおり前を見ると、






『ファイトですっ!先輩!』





そのキラキラした目で私を見ないでください…。





その日、自分の担当患者のカルテを確認してから来週の外科でのオペ内容を確認した。




はぁ、知らない術式ばかり。ただでさえ外科は難しいのに。小児の手術はこんな私にできるのだろうか……。




不安をかき消すためには勉強しかないのだけど、目の前の資料を見る限り、理解できないことばかり。





見ていてもため息しか出ないので、その日は遅くならないように帰宅した。