未知の世界5


『そういえば最近のかなちゃんの体調なんだけどね。』





食事中に、不意に口走る進藤先生。




『季節の変わり目、気圧の変化、天候に左右されやすいね。』






「えっ!?」





そんなデータとってるの?






『かなちゃんの担当になった時からチェックしてたんだけど、そういう結果になったよ。』





「へぇすごいですね。他の患者さんも?」







『いや、かなちゃんだけ。
大学の講師時代から知ってたかなちゃんだから、日記付けるみたいに記録しておいたんだ。』






……すごい、進藤先生。






進藤先生の仕事に対する熱意は本当にすごい。
そのおかげで私は窮屈な気持ちになってしまうけど…。でも、患者さんに向き合う気持ちはとても大事で、見習いたいところ。





『ま、それがわかってるから、そろそろ体調悪いんじゃないかなぁって思ってかなちゃんを見ると、ズバリっていう時もあるんだよね。
黙ってたって、分かっちゃうってことだよ。』






と笑いながら話す進藤先生。





私は笑うに笑えない……。






『前に病院を変わりたいと言ってたよね?』






あ、あの時のこと……。






「はい。」






『その選択は間違ってないと思うよ。でも、今のかなちゃんの病状からすると、一番ベストなのはうちの大学病院で診ることが一番かな。




発作もなくなって、心臓も肺も順調に機能すれば、むしろこちらから町医者に依頼することになると思うよ。





大学病院で診る必要がなくて、定期健診だけでいいなら、むしろ町医者で普段かかっておいた方が、診察を受けやすいんだよ。そういう患者さんはよくいるよね。小児科は特別だけどね。




ただ循環器内科と呼吸器内科を専攻してる人じゃないと難しいけど…。 』







そうなんだ……。まぁ、今の病院で仕事中も監視されてるのが辛いだけなんだけどね。






『町医者に診てもらいたいのは何か理由があるの?』






理由は2つあって、1つは監視されてるのが嫌ってことは言えないけど。





「仕事に専念したいなと思って。」






『そうだね。仕事には集中できるだろうね。でもそれはまだ先だよ。今は自分の体を大事にして。少しでも体のことを忘れたら、仕事どころじゃなくなっちゃうのがかなちゃんだからさ。』






その通り…。進藤先生の言葉がごもっとも過ぎて何も言えなかった……。