処置室のベッドで横になっていると、幸治さんがカーテンを開けそばにくる。
「気分はどうだ?」
『今日一日、あまり体調も気分も優れませんでした…。
でも、もう帰れると思うと今はスッキリしてます。』
「そのことで今他の先生方と話して来た。」
え?帰れないの?
さっきまで晴れ晴れとしていた気持ちが一瞬で曇る。
「あ、大丈夫。入院はしないから。」
私の表情を察したのか、幸治さんから入院をしないと言われ安堵する。
「入院はしない。今日はこれから帰る。
だけど…」
『だけど…?』
「この一週間は家に閉じ込めていたけど、これからは少しずつ体調と相談しながら外に慣れさせて行こうかと思ってる。
それから、喘息発作が起きないように、毎日吸入を家ですること。
これで様子をみることになった。」
あ、決定事項なんだ。
そっか…。
家に帰れることは嬉しいことなんだけど。
だけど、私の意見も少しくらい…。
「ん?家に帰れるんだぞ?何か不満か?」
そう言われ、思ってることを言い返せる訳もなく首を振る。
言える訳ない。だって、私の体を診てくれてるのはみんな私よりも遥か上にいる職場の上司たちなんだから…。
今日の診察での気持ちや、今後のことについての自分の意見すらも聞いてもらえないことが胸の奥にモヤモヤとしてのこっているけど、言える訳ない、と自分に言い聞かして自宅に戻った。



