未知の世界5


聴診を終えると、何やらガタガタと機械を運ぶ音。






確か吸入が部屋に置いてあった気がする……。







『こっち向いて。』








「…………。」









黙っていると頭を両手で動かされ……、








素早くマスクをつけられた。








容赦ない…。







仰向けのまま機械が動く……。








「ゲホッゲボ、ゲホッゲボ!」








仰向けでの吸入はほとんどしたことがなく、普段ベッドの上では上半身が軽く起こされている。







仰向けでむせると、喉が開きっぱなしなので、さらにむせる……。







寝たまま横を向けてみるけど…むせる……。







「ゲホゲホゲホゲホゲホ!はぁはぁはぁ。」







休む間もなく次から次へと薬が入ってくる。






息ができない……と思った頃、終了した。








「はぁはぁはぁはぁはぁ。」







心臓に手をやるといつも以上にバクバクしている。







入院するまでの最近、心臓がこんなに早く動くことがなかった。






今にも発作が起きてしまうのではと、不安になる。








吸入後は、いつも通り聴診を受ける。







『…………。』






黙ったままの進藤先生が、それはまた恐ろしい……。






そしてそのままナースステーションに入って行く。







はぁ……、疲れた。







再びナースステーションに背を向けて目を閉じた。







気付くと、あれからどのくらい経ったのか眠っていた。






たださっきと違うのは胸につけられた機械。






う……身動きが取れない。








時計の針は夜中の12時を指している。ナースステーションは明かりが一つ落ちている。廊下は真っ暗。







モニターのおかげで私の部屋は多少明るい。






ナースステーションには、当直の先生が入ってきたところだった。






こちらにやってきそうな感じがしたので、私は慌てて目を閉じた。