聴診を終えると、何やらガタガタと機械を運ぶ音。
確か吸入が部屋に置いてあった気がする……。
『こっち向いて。』
「…………。」
黙っていると頭を両手で動かされ……、
素早くマスクをつけられた。
容赦ない…。
仰向けのまま機械が動く……。
「ゲホッゲボ、ゲホッゲボ!」
仰向けでの吸入はほとんどしたことがなく、普段ベッドの上では上半身が軽く起こされている。
仰向けでむせると、喉が開きっぱなしなので、さらにむせる……。
寝たまま横を向けてみるけど…むせる……。
「ゲホゲホゲホゲホゲホ!はぁはぁはぁ。」
休む間もなく次から次へと薬が入ってくる。
息ができない……と思った頃、終了した。
「はぁはぁはぁはぁはぁ。」
心臓に手をやるといつも以上にバクバクしている。
入院するまでの最近、心臓がこんなに早く動くことがなかった。
今にも発作が起きてしまうのではと、不安になる。
吸入後は、いつも通り聴診を受ける。
『…………。』
黙ったままの進藤先生が、それはまた恐ろしい……。
そしてそのままナースステーションに入って行く。
はぁ……、疲れた。
再びナースステーションに背を向けて目を閉じた。
気付くと、あれからどのくらい経ったのか眠っていた。
たださっきと違うのは胸につけられた機械。
う……身動きが取れない。
時計の針は夜中の12時を指している。ナースステーションは明かりが一つ落ちている。廊下は真っ暗。
モニターのおかげで私の部屋は多少明るい。
ナースステーションには、当直の先生が入ってきたところだった。
こちらにやってきそうな感じがしたので、私は慌てて目を閉じた。



