手をつけ始めてから1時間が経った。
まだまだ残っているご飯……。
食べ始めにいた看護師と進藤先生は、少ししたら出て行った。
こんなにたくさんの量、どうやったら食べられるのか……。
食べ始めは頑張っていたものの、もうギブアップと思うとそれ以上減ることはなく、回収の人が来てしまった。
来てしまったというか、来てくれてありがとう、っていうのが本音だけど。
回収された食事はそのまま処分されるので、基本的に誰かがどのくらい食べたかは分からない。
チェックしなければ……の話だけど。
私は石川先生に習って、子供達の食事量はチェックしてる。
どうか、誰にも見られませんように。
その一時間後……。
私服の進藤先生と幸治さんが入ってきた。
もう帰る時間か……。
『どうだ、調子は?』
幸治さんに聞かれる。
「寝てるだけなので良くもなく、悪くもなく。」
『まぁ今はゆっくりすることだな。』
「…………。」
帰りたいって言ったのに……。
『そんな顔してもダメだ!ダメなものはダメ。それで帰っても俺が日中一緒に、いられる訳じゃないし、そもそも、退院できる体じゃないだろ?』
「…………。」
『まずは安静にして、食事の量が人並みに戻ったら考えるから…。』
と進藤先生が会話に参加してきた。
食事量……、見られてたか。
『今の体のかなちゃんでは、また同じことの繰り返し。次に復帰する時には、もっと丈夫な体でないと仕事に耐えられないと思うから』
「…………。」
『分かったか?』
「……は、い。」
それ以上何も言う気にならなかった。
言われてることは最もなことだけど、それが納得できない……。
少しして、二人は部屋を後にしていった。



