時刻は一体何時だろう……。
石川先生に聞いておけば良かった。
まだ外してもらえないマスク。
耳にかかってるゴムがかゆい……。
胸には心電図やらと後一時間はトイレ以外では外さないらしい。
たぶん朝発作が出てからだから、午前中だけこのままだとして、外から光の入り具合からももうすぐお昼なんだろう。
あぁ、早く帰りたい……。
と思っていると、知らない間に眠っていた。
次に目を覚ますと、胸元の機械を看護師が外してくれていた。
『起きましたか?
どうですか、具合は。』
口のマスクも外されている。
「大丈夫です……。
早く……家に帰りたいです。」
ボソっと最後呟いてみた。
看護師しかいないなら、何言ってもいいかと。
『この状態ではまだまだだよ。』
ビクッ!!!
看護師の方ばかり見ていたから気づかなかったけど、反対側に進藤先生が座っていた。
そして静かに聴診器を耳にかけて、聴診を始めた。
ま、まさかいると思ってなかった。
看護師の顔を見ると、やってしまいましたね、という表情…。
教えてよ……。
部屋の中は静まり返っていた。
『まだまだ安静にしてないと、喘息発作がまたすぐに出るかもしれない。
帰りたかったら、大人しくすること。』
まだ私に冷たい……。
と返事をせずにいると、
『分かった?』
と尋ねられる。
「は、はい。」
顔を見ずに答える。
聴診だけで終わると思っていたら、
『点滴、差し替えたり方がいいね。』
と看護師に指示している。
えっ!?
と腕をみると、腕が腫れ上がっている。
『もうお昼か……。
一旦外して、昼ご飯の後に利き腕にしよう。これじゃ左腕はどこも無理そうだ……。』
と私の左腕を持ち上げる。
「痛いっ!」
と引っ込めようとするけど、力が入っていて引っ張れない。
痛い……。
何でこんなに腫れちゃうんだろ……。
前にも一度同じことがあった。
予防接種の時も腕が曲がらないほど腫れることも。
予防接種はワクチンが体内に入るから、体が反応して起こることだけど、点滴となると、針なのかなぁ。
プスッ
「ぎゃっ!」
不意に点滴を引っこ抜かれ、変な声を出してしまった。
『ちゃんと、抜くよって言ったでしょうが。』
聞いてなかった……。
点滴を進藤先生が片付けていると、お昼ご飯が運ばれてきた。
こういう時に限って、食欲ないんだから……。



