「…なちゃん!
かなちゃんっ!」
ん?
自分の名前を呼ばれ、目を開けるとお父さんが私の顔を覗き込んでいる。
「はぁ、良かった。」
「…あ…れ?」
いまいち状況が飲み込めない。
「今の今、吸入の最中に意識がなくなってたんだよ。」
ぇえっ!?
言われてみればそうかも。気が遠くなってた気がする。
しかも背中を支えてくれてる進藤先生を見ると、今起きたことが自覚できた。
自分で体を起こそうと思っても、体がだるくて起こせない。
すぐに車椅子を持って看護師さんがやってきた。
『かなちゃん、大丈夫?体を動かせないんじゃない?』
そう言われればそうかも。
私の顔をみんなが見つめていることが分かった。
そんなに見られたら…。
『ゆっくり車椅子に移るよ。』
ほとんど進藤先生に抱き上げられて車椅子に移った。
今日は疲れたな。特に何かした訳ではないのに。



