未知の世界5


「…なちゃん!









かなちゃんっ!」






ん?






自分の名前を呼ばれ、目を開けるとお父さんが私の顔を覗き込んでいる。







「はぁ、良かった。」







「…あ…れ?」






いまいち状況が飲み込めない。





「今の今、吸入の最中に意識がなくなってたんだよ。」






ぇえっ!?






言われてみればそうかも。気が遠くなってた気がする。
しかも背中を支えてくれてる進藤先生を見ると、今起きたことが自覚できた。






自分で体を起こそうと思っても、体がだるくて起こせない。





すぐに車椅子を持って看護師さんがやってきた。






『かなちゃん、大丈夫?体を動かせないんじゃない?』





そう言われればそうかも。





私の顔をみんなが見つめていることが分かった。






そんなに見られたら…。






『ゆっくり車椅子に移るよ。』





ほとんど進藤先生に抱き上げられて車椅子に移った。






今日は疲れたな。特に何かした訳ではないのに。