そこにいたのは……。
「し、進藤……先生。」
今までに見たことのない怒った顔……。
なぜ先生がここに。
『なぜ勝手に帰ってるの?』
段々と近づいてくる進藤先生。
「えっと……、検診自体は終わってたので。いつまで経っても点滴ばかりだったので。」
パシッ!
え?
何が起きたか分からなかった。
数秒後、進藤先生に頬を叩かれたことを理解したけど、何も言葉が出てこない。
なんで、私が叩かれなきゃいけないの?
なんだか虚しい気持ちになり、涙が頬を伝った。
『勝手に点滴を抜くなんて、医者だったらそんなことしてはいけないって分かるだろ!?』
「…………。」
『僕のいない間の検診のことも、どうして自分から加藤先生に声をかけないんだ?』
「…………。」
『これから、病院戻るぞ!』
こんな怒ってる進藤先生は、初めて見た。
でも、私は検診終わったから帰ってきただけ。どうしてここまでされなきゃならないの?
と進藤先生を避けて、部屋に向かおうとする。
『ダメだ!』
強く腕を掴まれる。
うっ!
ッつーーーー!
一瞬だけど、また胸がキュッとなった気がした。
だけど、少しでも胸を掴めば病院は確実。
何とか何事もなかったかのように振る舞う。
『検査結果は出てる。それも踏まえて病院に戻るから。』
「…………。」
悪かったんだ……。
だから、今言わないんだ。
何とかこの状況を良い方に向けれないか考えたものの、ものすごい恐ろしい顔と態度の進藤先生に連れられ、私は先生の車に乗せられ、病院に向かった。



