「まだ怒ってるのか?」 呼吸器内科の処置室に向かうかなに後ろから声をかける幸治。 『別に怒ってないです…。』 「悪かったって。 さっき親父も来て、頭下げたろ?」 『だから…怒ってません。』 「じゃあなんで、そんなに機嫌悪そうなんだ?」 『別に…。』 はぁ、と大きくため息をつく幸治。 かなの乗る車椅子を力強く押した。