未知の世界5


「まだ怒ってるのか?」





呼吸器内科の処置室に向かうかなに後ろから声をかける幸治。






『別に怒ってないです…。』





「悪かったって。




さっき親父も来て、頭下げたろ?」





『だから…怒ってません。』





「じゃあなんで、そんなに機嫌悪そうなんだ?」






『別に…。』





はぁ、と大きくため息をつく幸治。






かなの乗る車椅子を力強く押した。