未知の世界5


リビングにいるのは、体力的にも精神的にも辛いので自分の部屋に再び戻った。







たくさん食べたからか、体は熱くなった気がする。そして眠たい……。







フラフラしながら廊下を歩く。






部屋に入ってベッドに倒れ込む。









リビングでの嫌な空気が一気に解けて睡魔が襲った頃。








トントン








『入るぞ。』








幸治さん……。







『何勝手に歩いてんだ。熱測れ。』







と言われ、怒られかつ命令され、イライラする気持ちを抑えて体温計を脇に挟んだ。







ご飯しっかり食べたのに、まだ何か言われなくちゃいけないのか……と心の中で思うけど、何一つ返せない。










ピピピッ








体温計を脇から抜いて表示を見ようとするとすぐに奪われ、







『熱、かなりあるぞ。昨日、病院で何度だった?』






ぇっと……何度だったかな。







「忘れました……。」






『はぁ…自己管理くらいしっかりしろよ。』








その言葉に、私の中のイライラがマックスになり、熱が一度上がった気がした。







『ちょっとこっち向いて。』







と何やら幸治さんの手元には聴診器がある。







「嫌ですっ!」







イライラがマックスになり、反抗精神旺盛に…と言いたいけど、体が怠くて口では抵抗するものの、体は動かない……。








うつ伏せのままでいることしかできない。






ピタッ







知らない間に背中から聴診されてるし。







それにすら抵抗できずにいると、







『発作出ただろ?』






かなりの怒り口調で質問される。







『出てません!』







「嘘つくな!」







『出て……ません。』







語気が次第に弱まる。







『喘鳴しか聞こえない。』







冷ややかな声に体温が一度下がった気がした。







『吸入するぞ。』







と言われ、チラッと幸治さんを見ると、手元に病院の簡易吸入器がある。







『石川先生が持って帰るように言ったけど、貸し出し簿に何も書いてないからって。






はぁ…どれだけ人に迷惑かけてるんだ。』







別に私のことでしょ。石川先生にも進藤先生にも。それから幸治さんにだって関係ないことでしょ。







『早くやるぞ。』








私は怠い体にイライラする頭にムカムカする胃に、パンクしそうだった。






感情をぶつけるところがなくて、どうかしちゃいそう。







『ほらっ!こっち向かって。』








と幸治さんに腕を引っ張られる。







「うるさいっ!絶対にやらないから!」






と今までにないような口調で口答えした。







幸治さんが私の腕を突き放す。






『分かった……。』







そう言うと、幸治さんは部屋を出て行った。