リビングにいるのは、体力的にも精神的にも辛いので自分の部屋に再び戻った。
たくさん食べたからか、体は熱くなった気がする。そして眠たい……。
フラフラしながら廊下を歩く。
部屋に入ってベッドに倒れ込む。
リビングでの嫌な空気が一気に解けて睡魔が襲った頃。
トントン
『入るぞ。』
幸治さん……。
『何勝手に歩いてんだ。熱測れ。』
と言われ、怒られかつ命令され、イライラする気持ちを抑えて体温計を脇に挟んだ。
ご飯しっかり食べたのに、まだ何か言われなくちゃいけないのか……と心の中で思うけど、何一つ返せない。
ピピピッ
体温計を脇から抜いて表示を見ようとするとすぐに奪われ、
『熱、かなりあるぞ。昨日、病院で何度だった?』
ぇっと……何度だったかな。
「忘れました……。」
『はぁ…自己管理くらいしっかりしろよ。』
その言葉に、私の中のイライラがマックスになり、熱が一度上がった気がした。
『ちょっとこっち向いて。』
と何やら幸治さんの手元には聴診器がある。
「嫌ですっ!」
イライラがマックスになり、反抗精神旺盛に…と言いたいけど、体が怠くて口では抵抗するものの、体は動かない……。
うつ伏せのままでいることしかできない。
ピタッ
知らない間に背中から聴診されてるし。
それにすら抵抗できずにいると、
『発作出ただろ?』
かなりの怒り口調で質問される。
『出てません!』
「嘘つくな!」
『出て……ません。』
語気が次第に弱まる。
『喘鳴しか聞こえない。』
冷ややかな声に体温が一度下がった気がした。
『吸入するぞ。』
と言われ、チラッと幸治さんを見ると、手元に病院の簡易吸入器がある。
『石川先生が持って帰るように言ったけど、貸し出し簿に何も書いてないからって。
はぁ…どれだけ人に迷惑かけてるんだ。』
別に私のことでしょ。石川先生にも進藤先生にも。それから幸治さんにだって関係ないことでしょ。
『早くやるぞ。』
私は怠い体にイライラする頭にムカムカする胃に、パンクしそうだった。
感情をぶつけるところがなくて、どうかしちゃいそう。
『ほらっ!こっち向かって。』
と幸治さんに腕を引っ張られる。
「うるさいっ!絶対にやらないから!」
と今までにないような口調で口答えした。
幸治さんが私の腕を突き放す。
『分かった……。』
そう言うと、幸治さんは部屋を出て行った。



