〜医局では
かなの寝ているベッドから医局に戻ってきた幸治。
かなの診察をしていた主治医たちがいるソファへ。
『かなちゃんは、目を覚ましたか?』
幸治の父親、佐藤先生が幸治に尋ねる。
「ええ、診察室でのことを聞いたら泣きだしました。もう検診を受けないで帰ると言ってますが、体が怠いのか、動こうとしませんでした。」
『それは重症だなぁ。かなちゃんがすぐに逃げ出さないなんて。』
進藤先生が呟く。
『かなちゃんのことを思って、ああやって診察しようとしたけど、やはりあの状態での診察は女性にとっては辛いものがあったのかもしれないな。』
佐藤先生が話すと、やはり皆んな気づいてなかったのか、ハッとしている。
「そういうことか…。
それに加えて、いまだに胸の傷を見せたがらない。」
幸治が腕を組み考える。
『検診は今日には、終わらせたいな。』
佐藤先生が言うと他の医師たちも頷く。
結果、残りの検診は続けることになり、今後の検診では、今回のような形を取ることはやめることになった。



