外来を済ませて、昼休憩に入る前、ほとんど人のいない医局で、医局長にたけると二人で会議室に来るように呼ばれた。
会議室に着くとすぐ、医局長も現れた。
『昨日は大変な目にあったようだね。』
「本当にご迷惑をおかけして、申し訳ありません。」
私は深々と頭を下げた。
『大丈夫だから、座りなさい。』
椅子に座ると、
『どうもね、あの近藤という医者は、酒癖も女癖も悪いようでな。
かなり病院の看護師に君と同じように声をかけては、ひどいことをしてきたようだ。
過去に一度、減給処分にしていたらしいが、全く懲りず、看護師からも相談が相次いでいたらしい。
そんな時に昨夜君にまで手を出してしまった。
今回ばかりは、病院側は彼を解雇する方針らしい。』
「えっ!?そこまでするんですか。」
さすがに今の話を聞いても怒れてくるけど、自分のことがきっかけで解雇なんて……
『病院側も、いつかそう処分を下す時が来ることは想像していたそうだ。
ただ、腕はそれなりにあったので、今回もプロジェクトに選ばれたそうだが……。
彼の病院は、うちの系列でもなく一般応募でそこまで大きな病院ではないから、今回うちの病院の君に辛い目に合わせてしまって申し訳なかったと、言っていた。
近くにそこの病院長がこちらに挨拶に来たいと。』
「いえっ!病院長からご挨拶だなんて!?私自身にも落ち度があったんですが、今回のようになってしまったんです。
今回のことは、私も反省すべきことなので、院長には……。」
『と、君が言うと思ってな。今回のことは、君自身の名前や顔が出ることは控えたいと、こちらからお断りしておいたよ。』
はぁ、良かった……。
もし、相手の院長が来るなんてことになったら、どう対応していいかも分からないし、幸治さんにも怒られてしまいそう。
『ま、ということでな、引き続きプロジェクトを頑張ることだな。』
といわれ、たけると返事をした。



