未知の世界5


急変した子は石川先生の担当であるが、先生は今日お休み。いつも私の患者を気にかけてくれている先生。今日は私が……









患者は食物アレルギーで入院していたものの、再び何かに反応して発作を起こしている。








『あ゛ー!!!ぐるじぃよぉー。』







しっかり泣きわめくが、その合間に乱れた呼吸音が聞こえる。







「すぐ採血して検査に回してください。」







マスクをさせて、発作を止める注射を打ち、すぐにERに連れて行く。







薬が効いて来てのか、落ち着いてきた。









『はぁはぁはぁはぁ。せんせっ……苦しかった。』







「昨日の夜から今日の朝にかけて、病院で出されたもの意外に食べたかな?」







と優しく、優しく聞く。








『うん……。石川先生には言わないでくれる……?』






いや、それは無理だ。







「うーん……石川先生は君の体に何が入ったらいけないのか、ちゃんと知らないといけないんだ。もしいつまでも原因が分からないと、これからいろんな検査をしなくちゃいけなくなるよ。」






と顔色を変えて、







『たぶん……このお菓子。』







と出してきたのは、売店で購入できるお菓子。






裏側を見ると、







あったあった……。








「君は字が読めるから、ここになんて書いてあるか分かるね?」







『うん……ごめんなさい。どうしても食べてみたくて。』







その気持ち……分かるよ。







「このお菓子には君が食べてはいけないごまがたくさん入ってるね。






人によっては、今回の発作で死んでしまう人もいるの。






ね、だからこれからは食べないようにできるかな?」







怒らなくちゃいけないけど、怒ってもしょうがない……。優しく優しく。







『はい……ごめんなさい。』







と泣きながら謝る。








「このことは石川先生に伝えておくからね。石川先生はいつでも君の体のことを考えてるから、素直に話そうね。」







食べたというお菓子の残りを受け取り、看護師にお菓子ごと検査と一緒に出すよう伝えて、病棟を出た。








このことは、お休みだけど、石川先生に伝えておこう。