『ちゃんと挨拶してきたか?』
ベッドの上に横になりながら、幸治さんに聞かれる。
「はい。また次回の検診が決まったら連絡下さるそうです。」
と答えると、手を差し出して来た。
ん?この手は?
『検査結果、出てるだろ?』
う…。私忘れてた。
というより渡さない方向でいこうと思って、家にはない。
「ぇっと、医局の机に入れてあります……。」
『なんだと?』
うわ……久しぶりに聞いたこの声。久しぶりに見たこの顔……。
これから隣で寝ないといけないと思うとゾッとした。
「ごめんなさい……。また明日持って帰ってきます。」
『そういうところからお前はダメなんだ!もういいから。自分で自分の管理をしっかりしなさい!
進藤先生がいなくてもできるところを見せなさい。』
幸治さんの言葉から、これ以上厳しいことは言われないと思うとホッとする。
そっとベッドに横になると、気づかない間に眠りについた。
その夜は、疲れていたのか起きることがなかった。



