『かなちゃん、おはよう。』
と後ろから入ってきた進藤先生に声をかけられ、ビクッと体が動く。
こ、声が低い……。
完全に怒ってる。
「お、おはようござい……ます。」
『ここ来て。』
と言われ、吸入の機械から離れた場所の椅子に座らされる。
『……かなちゃん。いつも僕が言ってること、あまり聞いてないんじゃない?
もっと自分の体を大切にして。ちゃんと管理すること。
自分の体は自分が一番よく知ってるんだから、精神的にも体力的にも体が悲鳴をあげてる時は、ちゃんと受診すること。
今まで自分から病院にきて外来を受けたこと、一度もないんじゃない?
それに体が大変な時に、仕事に来ない!休めないのは分かるけど、これをずっと続けてたら、ホントに体が保たないよ。
少しの異変でもちゃんと僕や幸治くん。周りの人に言うこと。
とにかく色々一人で抱え込まず、相談すること。
じゃなきゃ、病気は治りません!』
う……、進藤先生がこんなに続けて意見を言うなんて、初めてのこと……。
怒り狂ってはいないけど、声のトーンに言い方に、完全に怒っている。
『治す気がないなら、僕は主治医をおりるよ。』
う……それは言われたことがない。
治す気があっても治らないのはどうしたらいいの?
私がいけないの?
いろんな制限を守ってるのに……。
進藤先生に主治医を降りると言われたら、もう見捨てられてるのは当然…
と返事が出来ないでいる。
『僕はこれから海外出張だから、しばらくいないけど。
今日はこれから吸入してから仕事して。
僕のいない間は呼吸器内科に行けば担当の先生がいるから、必ず行って治療を受けること。分かった?』
たくさん言われて正直頭がついていけてないけど……
「はい……。」
返事をすると進藤先生は検査室から出て行った。



