未知の世界5


『かなちゃん、おはよう。』







と後ろから入ってきた進藤先生に声をかけられ、ビクッと体が動く。







こ、声が低い……。







完全に怒ってる。








「お、おはようござい……ます。」







『ここ来て。』






と言われ、吸入の機械から離れた場所の椅子に座らされる。








『……かなちゃん。いつも僕が言ってること、あまり聞いてないんじゃない?







もっと自分の体を大切にして。ちゃんと管理すること。






自分の体は自分が一番よく知ってるんだから、精神的にも体力的にも体が悲鳴をあげてる時は、ちゃんと受診すること。







今まで自分から病院にきて外来を受けたこと、一度もないんじゃない?






それに体が大変な時に、仕事に来ない!休めないのは分かるけど、これをずっと続けてたら、ホントに体が保たないよ。







少しの異変でもちゃんと僕や幸治くん。周りの人に言うこと。







とにかく色々一人で抱え込まず、相談すること。







じゃなきゃ、病気は治りません!』







う……、進藤先生がこんなに続けて意見を言うなんて、初めてのこと……。






怒り狂ってはいないけど、声のトーンに言い方に、完全に怒っている。







『治す気がないなら、僕は主治医をおりるよ。』






う……それは言われたことがない。







治す気があっても治らないのはどうしたらいいの?






私がいけないの?








いろんな制限を守ってるのに……。








進藤先生に主治医を降りると言われたら、もう見捨てられてるのは当然…










と返事が出来ないでいる。







『僕はこれから海外出張だから、しばらくいないけど。






今日はこれから吸入してから仕事して。








僕のいない間は呼吸器内科に行けば担当の先生がいるから、必ず行って治療を受けること。分かった?』








たくさん言われて正直頭がついていけてないけど……









「はい……。」







返事をすると進藤先生は検査室から出て行った。