『かなちゃん!かなちゃーん。』
そう呼ばれ目を覚ますと。
ん?
進藤先生が私を覗き込んでいた。
あ、夢を見ずに眠れた。
『どうしてこんなところにいるの?』
え?
周りを見渡すと、寝る前に座っていた椅子から落ちて、床に寝ている。
「落ちちゃったみたいで……。」
『え?いつからここにいるの?』
「うーん……、お昼を済ませてからです。」
『ぇえ!大丈夫?寒くなかった?』
と私の額に手を当てる。ボーっとしている私の胸に、聴診器を刷り込ませる。
もう諦めてそのままボーっとする。
『音は大丈夫そうだね。もしかしたら熱が下がってないかな?』
「え?」
いつも長引く熱が、今回はものすごく早く引いたことに自分で信じられなかった。
いつのまにか脇に挟まれた体温計を取り上げると。
36度5分。
その数字に嬉しくなり、進藤先生に見せる。
『やったね。
でも、まだ夜ご飯まであるし、寝てたら?』
いや、夢を見たくないし。
「もうしっかり寝たので大丈夫です。」
というと進藤先生も納得したのか、二人でリビングに向かった。



