部屋中に美味しそうなお母さんの手料理の匂いが充満する中、ソファに横になってお父さんの聴診を受ける。
途中、何度もウトウトと眠くなってしまうけど、さっきの夢がまた蘇ってきそうで、何度も目を開ける。
『部屋から走ってきてたけど、どんな夢を見たの?』
お父さんに聞かれるけど、口にしたらもっと忘れられなくなりそうで、
「……もう二度と見たくない夢……。」
としか答えられなかった。
『よし、胸も肺も綺麗な音だよ。
熱があって心配してたけど、これならよく食べてよく寝れば大丈夫っ。』
と言われてホッとする反面、よく食べて、という言葉で気分は下がっていく。
『そしたら、お昼ご飯はできてるから、良かったらどうぞ。』
とお母さん。
そしてお父さんにお母さん、進藤先生は席についた。
『ほらほら、かなちゃんも』
とお母さん。
「いえ、私は……熱もあるので部屋で食べます。」
と返事をした。
だって、絶対に食べられないから。部屋に行って寝てしまえば、食べなくても済みそうだし。
『ダメだよ、かなちゃん!昨日も言ったでしょ?』
う……。
進藤先生……。昨日と変わらずたぶん怒ってる……。
『ほら、ここに来て。』
とお母さんに言われ、渋々席についた。



