未知の世界5


部屋中に美味しそうなお母さんの手料理の匂いが充満する中、ソファに横になってお父さんの聴診を受ける。








途中、何度もウトウトと眠くなってしまうけど、さっきの夢がまた蘇ってきそうで、何度も目を開ける。








『部屋から走ってきてたけど、どんな夢を見たの?』






お父さんに聞かれるけど、口にしたらもっと忘れられなくなりそうで、







「……もう二度と見たくない夢……。」








としか答えられなかった。








『よし、胸も肺も綺麗な音だよ。
熱があって心配してたけど、これならよく食べてよく寝れば大丈夫っ。』







と言われてホッとする反面、よく食べて、という言葉で気分は下がっていく。








『そしたら、お昼ご飯はできてるから、良かったらどうぞ。』







とお母さん。







そしてお父さんにお母さん、進藤先生は席についた。







『ほらほら、かなちゃんも』







とお母さん。








「いえ、私は……熱もあるので部屋で食べます。」







と返事をした。







だって、絶対に食べられないから。部屋に行って寝てしまえば、食べなくても済みそうだし。







『ダメだよ、かなちゃん!昨日も言ったでしょ?』







う……。








進藤先生……。昨日と変わらずたぶん怒ってる……。







『ほら、ここに来て。』







とお母さんに言われ、渋々席についた。