未知の世界5


場所を変え、次は心電図。





「失礼しまーす。」






とカーテンを開けると既に石川先生がスタンバイしている。







ここから石川先生なのは初めてのことで、今更だけど、恥ずかしい。







ベッドに横になり、検査着の前側を開ける。







すかさずタオルを胸にかけてくれるけど、よく考えたら…私の体ってかなり傷だらけだよね。








元々付いていた、いや付けられた傷にプラスして手術の跡がたっくさんある。






そう思うと、気持ちがズドーンっと下がって行く。







『……い!









……っおい!』








ハッと気づくと声をかけられていた。






「あ、すいませんっ。」







『どうした?』







「いえ、何も……。」








『さっき進藤先生から連絡あったけど、相当苦しんだみたいだな。






もう落ち着いたか?』







「は、はい。大丈夫です。」







『分かった。まぁ、心電図中はボーっとしてくれてても大丈夫だから。』






と、半笑いで言う。






私って、今の今、かなりボーっとしてたんだ。






そして心電図が始まった。