場所を変え、次は心電図。
「失礼しまーす。」
とカーテンを開けると既に石川先生がスタンバイしている。
ここから石川先生なのは初めてのことで、今更だけど、恥ずかしい。
ベッドに横になり、検査着の前側を開ける。
すかさずタオルを胸にかけてくれるけど、よく考えたら…私の体ってかなり傷だらけだよね。
元々付いていた、いや付けられた傷にプラスして手術の跡がたっくさんある。
そう思うと、気持ちがズドーンっと下がって行く。
『……い!
……っおい!』
ハッと気づくと声をかけられていた。
「あ、すいませんっ。」
『どうした?』
「いえ、何も……。」
『さっき進藤先生から連絡あったけど、相当苦しんだみたいだな。
もう落ち着いたか?』
「は、はい。大丈夫です。」
『分かった。まぁ、心電図中はボーっとしてくれてても大丈夫だから。』
と、半笑いで言う。
私って、今の今、かなりボーっとしてたんだ。
そして心電図が始まった。



