採血で子供扱いされてしまった以上、吸入では大人なところを見せなくちゃ。
と意気込んでみたものの……、
やはり喘鳴が聞こえなくても体は疲れてるんだね。
「ゲホッゲボ、ゲホッゲボゲホゲホゲホ!!!」
まさか開始早々むせるとは……。
く、苦しい…。
マスクタイプなので、外さない限りは苦しいまま。だけど外す力もなく、どんどん顔はうつむき、遂には下を完全に向いて、目の前の機械にもたれかかってしまう。
うぅ……、苦しくて顔が上げられない。
『かなちゃんっ!!!顔をあげてごらん!どんどん苦しくなっちゃうよ!』
そんなことを言われても。
無理……。
「ハァハァハァ、ゲホッゲボゲホッゲボゲホッゲボ!!!」
プチん!
私があまりにも苦しがるからか、見兼ねて進藤先生がスイッチを切る。
まだ息は切れてる。呼吸が整わなくて、過呼吸になりそう……。
マスクを外して休憩するけど、荒い呼吸のまま、それはエスカレートして、、、
「ハァッハァッハァッ!」
息が、息が、、、
吸入を外したのにうまく吸えない……。
『かなちゃん、慌てず深呼吸!』
と言っている進藤先生が慌ててる。
「ハァッハァッハァッ」
半分パニックになっている私に進藤先生がマスクを付ける。
マスクのおかげで、なんとか呼吸が落ち着いてくる。
はぁはぁはぁ……
苦しかった……。



