未知の世界5


採血で子供扱いされてしまった以上、吸入では大人なところを見せなくちゃ。







と意気込んでみたものの……、







やはり喘鳴が聞こえなくても体は疲れてるんだね。








「ゲホッゲボ、ゲホッゲボゲホゲホゲホ!!!」








まさか開始早々むせるとは……。








く、苦しい…。








マスクタイプなので、外さない限りは苦しいまま。だけど外す力もなく、どんどん顔はうつむき、遂には下を完全に向いて、目の前の機械にもたれかかってしまう。







うぅ……、苦しくて顔が上げられない。







『かなちゃんっ!!!顔をあげてごらん!どんどん苦しくなっちゃうよ!』







そんなことを言われても。








無理……。








「ハァハァハァ、ゲホッゲボゲホッゲボゲホッゲボ!!!」







プチん!








私があまりにも苦しがるからか、見兼ねて進藤先生がスイッチを切る。







まだ息は切れてる。呼吸が整わなくて、過呼吸になりそう……。








マスクを外して休憩するけど、荒い呼吸のまま、それはエスカレートして、、、








「ハァッハァッハァッ!」







息が、息が、、、







吸入を外したのにうまく吸えない……。








『かなちゃん、慌てず深呼吸!』







と言っている進藤先生が慌ててる。






「ハァッハァッハァッ」







半分パニックになっている私に進藤先生がマスクを付ける。






マスクのおかげで、なんとか呼吸が落ち着いてくる。







はぁはぁはぁ……






苦しかった……。