『あ、そうそう!かなちゃんちょっと!』
医局長に呼ばれる人はほとんど上の方たちばかり。滅多に私のようなペーペーは呼ばれない。
『それから、早川Jr.も。』
私とたけるが呼ばれて、他の先生方から一体何だろうと注目を浴びた。
『えっとな…これなんだけど。』
手渡されたのは、やごな第二総合病院での研修会。
ここでの研修会は、よくあること。
だけど、よく見ると……。
【小児外科医育成プロジェクト】
へぇっ!?
その文字を見て、私は顔が引きつった。
隣のたけるは…というと。
目がキラキラしている。すごいたける…。
たけるくらい優秀な人にはちょうどいいんだけど、私にはちょっとなぁ……。
『二人の名前を書いておいたから。』
ヒィッ!!!お、鬼……。
『それから近いうちに新しい研修医が一人やってくるから、君達、頼んだよ!』
「はいっ!」
と私とたけるは返事をした。
こういうやりとりは医局中の先生に聞こえるように医局長は少し声を大きくする。
改めて他の先生にもう一度言わなくても済むように。
医局長に頭を下げて席に戻ると、さっそく隣の石川先生が声をかけてきた。



