ピッ、ピッ、ピッ………







身体の重みを感じると共に、胸に痛みが走り、目を覚ます。








真っ白い、いつも見ていた天井が現れた時、今ここに、自分は生きているんだという実感が、さらなる胸の痛みとこみ上げて来た。






…痛い。







生きていることにありがたみを感じているのだが、それよりも胸の痛みがたまらなく辛い…。







生きるってそういうことなんだね。








口が渇ききっていて、言葉が出てこない。






誰か呼ばなきゃと思い、手でナースコールを探ってみる。









ガラッ










「お、目が覚めたか?」








誰か呼ばなきゃと思ってはいたものの、実のところ幸治さんが来てくれたら…と期待していた。








「手術は無事に成功したからな。」








そう説明するのは石川先生。






そう、私の指導員。







「目が覚めて一番に俺で悪かったな。」






ぶっきらぼうに答える。






そんなことはないんだけど、幸治さんの方が良かった。






一応、そんなことはないですと伝えようと口を開けるけど、喉が渇いてて尚且つ、口に呼吸器が付けられていて声が出ない。






「もう少しこのままで、経過が良ければ外すから。」







私が喋ろうとしたことに気づいた石川先生は、そんな間にもテキパキと私の見えないところで聴診している。






手術をされてはいるものの、やはり指導員に胸を見られるのは恥ずかしい。







抵抗もできないまま、診察は続けられる。