「はいはい、どうぞ。」
差し出された紅茶を一口飲む。
ふぅ〜。
久しぶりの自宅に紅茶に、心も体も落ち着きを取り戻す。
入院と言えども職場には違いない。どこかしら気を張っていたみたい。
温めた部屋がポカポカしてきたせいか、瞼が閉じそう。
と、次の瞬間!
『あちっ!!!』
持っていたティーカップから淹れたての紅茶が指にかかっていた。
「大丈夫?」
熱くてこの手を拭きたいけど、まだ体は病院にいた時のように体が鉛のように動かない。
リビングに行って戻ってきた進藤先生が、未だに私の持つティーカップを受け取り、こぼれた紅茶を拭いてくれる。
『すいません!』
「大丈夫だから。これで冷やして。」
冷たっ!
進藤先生に渡された氷を直接ヤケドしたところに当てる。