「かなちゃん、おはよう。大丈夫?
って、大丈夫じゃなさそうね…。」
私の両手を掴んで話すお母さん。
幸治さんが今朝お母さんに連絡したところ、診察を待っている間も付き添いが必要だろうと、結局朝から病院にきてくれた。
本当なら、医局の先生方に挨拶に行って、お詫びの一言をした方がいいのだろうけど、そんな体力は残っていない。
そもそも残っていたら、仕事は休んでないんだろうな。
『…おは…よう、ござい…ます。』
挨拶を返すだけでやっとの私。
お母さんの隣には、心配だからと来てくれたお父さん。
きっとお父さんと…いつものメンバーからの診察を受けるのだろう。
座っているのがやっと。お父さんとお母さんの目の前ではあるけど、体を立てたいるのも辛い。
ソファに上半身だけ横になる。
「かなちゃん、処置室行こう。」
お父さんに言われ、幸治さんが急いで持って来てくれた車椅子に座った。
座ったものの体がフラフラ揺れて辛い。
後ろから誰かに支えられながら車椅子のまま処置室にむかった。



