「おい。」
昼時間が終わろうとしたとき、隣の席から声がかかり、一瞬弁当のことがばれたと思いビクッと体が動く。
「大丈夫か?」
今朝の話が既に石川先生に、そして幸治さんに、そして…
進藤先生にも、伝わっているようだ。
いつものメンバー、最近の若者言葉で「いつメン」とか言うらしいけど、そのいつメンが小児科の医局にそろっていた。
それに気づいてなのか、
『食欲はないみたいだけどね。』
ギクリ…。
後ろから医局長がさっきのことを、バラす。
き、気づいてたの…。しかも今言うー!?
目の前にいる御三方が、こちらを睨んでいるように、私には思えて、目を伏せた。