リハビリ開始から一週間が経った。
「どうだ?」
耳に聴診器をはめて、私の胸に聴診器を当てようとすると石川先生に訊ねられる。
ん?こういう時、喋っていいのかな…。
一瞬黙ってしまうと、
「リハビリは順調か?」
喋っていいみたい。
『はい。』
「無理はするなよ。変わったことがあったら言うんだぞ。」
『はい…。』
変わったこと、といえば息切れが半端ない。
なかなか慣れない。
これっていつまであるんだろうか。
慣れてくるものなのかな…。
なんて考えていると、
「ん?なんだ?」
聴診が終わると改めて私と向き合うように構える石川先生。
えっと…なかなか言いづらい。
これを言うことで私はどうなるんだろ…。
リハビリが遅くなって、仕事復帰も遠のくのかな…。
『…いえ。』
すっきりしない顔の石川先生だけど、胸ポケットのPHSが鳴ると、また来るといい部屋を後にした。



