昨夜幸治さんからアドバイスを受けたように、もう一度はるちゃんに部活で水泳のタイムが落ちた前後のことを聞いてみた。
「水泳のタイムが落ちた時のことは忘れもしません…。
泳いでいて、いつもと息継ぎがうまくいかなくて。口に水がどんどん入ってきて、溺れるかと思うくらい。
その時はタイムを計る前で、練習中だったので、慌てて立ち上がりました。」
『呼吸が乱れたのは水泳をしている以外にもあったの?』
「はい、ありました。
体育の授業で持久走をしていると、いつも息が上がるのは終盤なのに、その時は走り出してすぐに咳が止まらなくなって。
結局、体育の時間は木陰で咳が治まるのを座って待っていました。
座ってゆっくりしていると咳は止まります。」
『他に咳が出るのはどういう時?』
「外を歩いている時に。
風が冷たくなってきてから、よく出るようになって。
だから、学校行くときは、ゆっくり歩くようにしていました。」
そこまで聞かなくとも、やはり原因は喘息であることはすぐに分かった。
喘息の発作が何度も起きていたため、水泳のタイムが伸びずに、一人で悩んでたんだと。