「おはようございまーす。」
医局でのカンファレンスを終え、外来にやってきた。
午前中、小児科で外来を担当するのは、私ともう1人。早川先生。
これからしばらくの間は、早川先生が同じ曜日に担当する。
『かなちゃん、おはよう。調子はどう?』
私のことは幸治さんと同じくらい知っている早川先生は、私と2人になると必ず私の体調を訪ねてくる。
「はい、おかげさまで最近は順調です。」
『良かったよ。今日は無理せず頑張ろうね。』
そういい、早川先生は隣の診察室に戻っていく。
『おはようございます、今日はよろしくお願いします。』
今日の外来担当の看護師さんが挨拶にくる。
外来も小児科の一般病棟から順番に来る人と、外来だけ勤務する看護師さんといる。
この方たちを敵にしたら最後。
「よろしくお願いします。」
椅子から立ち上がり、丁寧に頭を下げる。
『先生、すごい人気ですね!』
「へ?」
言われたことが理解できないでいた。
『まだ診察30分前ですけど…既に30人の患者さんが待合にいますよ!』
ひゃあっ‼︎
危うく声に出しそうになる。
30人って!まだ診察始まってないのに!?
始まったらどんだけ増えるの!?
外来は石川先生を手伝っていたので、要領もよく分かっている。
だけど、予想外の人数に午前中終わらなかったら…と考えると、ゾッとした。



