未知の世界5


「おはようございまーす。」






医局でのカンファレンスを終え、外来にやってきた。







午前中、小児科で外来を担当するのは、私ともう1人。早川先生。







これからしばらくの間は、早川先生が同じ曜日に担当する。








『かなちゃん、おはよう。調子はどう?』






私のことは幸治さんと同じくらい知っている早川先生は、私と2人になると必ず私の体調を訪ねてくる。







「はい、おかげさまで最近は順調です。」







『良かったよ。今日は無理せず頑張ろうね。』







そういい、早川先生は隣の診察室に戻っていく。









『おはようございます、今日はよろしくお願いします。』







今日の外来担当の看護師さんが挨拶にくる。







外来も小児科の一般病棟から順番に来る人と、外来だけ勤務する看護師さんといる。






この方たちを敵にしたら最後。






「よろしくお願いします。」







椅子から立ち上がり、丁寧に頭を下げる。







『先生、すごい人気ですね!』








「へ?」








言われたことが理解できないでいた。







『まだ診察30分前ですけど…既に30人の患者さんが待合にいますよ!』







ひゃあっ‼︎








危うく声に出しそうになる。






30人って!まだ診察始まってないのに!?






始まったらどんだけ増えるの!?







外来は石川先生を手伝っていたので、要領もよく分かっている。






だけど、予想外の人数に午前中終わらなかったら…と考えると、ゾッとした。