はぁ、疲れた…。






一人前初日。やはり誰かの下で行動するよりも、自分で考えてやらないといけないっていうことが精神的にも疲れる…。







「よお、おかえり。」








『ただいま。』








幸治さん、先に帰ってたんだ。








慌てて手を洗いに向かう。







「飯なら作っておいたから、慌てなくてもいいぞ。」






その言葉で体を止める。







『…すいません。遅くなって。』








私よりも忙しい幸治さんに家のことをさせてしまい、申し訳なくて居心地が悪い…。







「これからはしょうがない。俺もやっていかないとな。」







読んでいた新聞を畳み、キッチンへ向かうと、作ってくれていた味噌汁の入った鍋に火を付ける。







「温めておくから、着替えて来いよ。」








『ありがとうございます…。』








そそくさと部屋に向かう。








お母さんがいなくなってここ最近は誰かの手料理を食べることがなくなった。







幸治さんに作ってもらえて、疲れて沈んでた気持ちが少し軽くなる。