夕食後、再びかなちゃんの部屋へ。
「ご飯たべれた?」
『はい、少し残しちゃったけど…。』
顔色はいいけど表情は晴れない。
「量が多かったかな?」
『いいえ、苦手な食べ物があって…。』
そういうこと。
「少しだけ診察させてね。」
聴診器を耳につけると、はるちゃんの胸元に手を入れて聴診する。
心臓も肺もきれいな音をしている。
同時に測った血圧は運ばれてきた時と変わらず低血圧。
「はるちゃんは、普段から血圧は低いのかな?」
『うーん…測ったことないから分からない。』
それもそうだね。
『でも、お父さんもお母さんも低血圧だって言ってた。』
それなら、はるちゃんも低血圧かな…。
ピピピピッ
体温計が鳴り、取り出すと
「あら…。」
どことなく体が熱いと思ったら。
『えっ?熱あります?』
どことなく晴れない表情のはるちゃんが、さらに曇った顔をする。
「うん。37度8分。
少し様子みようね。
水は飲めてる?一応、点滴からも水分入れておくね。
熱が上がってきたり、しんどいと思ったらナースコールしてね。」
『…あ、はい。』
曖昧な返事が気になったけど、素直に返事をしたくれているので、診察を終えて部屋を後にする。
このこのはナースステーションと当直の先生に伝えておかないと。



