「おはよう。ここがどこだか分かるかな?」
たった今目が覚めたはるちゃんに声をかける。
はるちゃんには下に兄弟がいることと、お父さんは仕事のため、親御さんは帰られた。
『…え?
どこ…?』
「ここはね、病院だよ。
私は佐藤かな。
はるちゃんの担当になるよ。
はるちゃんはね、学校に行く途中に、川に落ちちゃったみたいで、近くの人が消防を呼んで助けてくれたんだよ。」
『あ…そうなんだ。』
「覚えてる?」
『…なんとなく。』
寝起きのせいなのか、ゆっくり帰ってくる返事。
「気分はどうかな?」
『よく寝てた…のかな?
すっきりした気分です。
お腹…すきました。』
「そうだよね。もうお昼の3時だもんね。」
『えっ!そんなに…。』
「今日一日、病院に泊まって行こうね。」
そう伝えると、どことなくうれしそうな顔を見せる。



