「紗奈ちゃん、家に案内してもらえるかな?」
忘れてたッ!
ど、どうしよ…ここどこ!?
場所がわからないと家に帰れないよ。
まずは、外に出て、知ってる場所に行こう。
ガチャ
公園、スーパー、マンション。
「えー…と、「なに、もしかして、分かんねぇの?」え?」
げっ、誠くん…。
「そそそそっそんなわけないじゃん!な、なにを言ってるのかなあ?」
誠くんっ!余計なことは言わないでっ!
携帯ないかな……
ん?携帯?
あ!携帯があればっ!!
「携帯貸して!はーやーくー!」
よしっ!
ぷるるるるるぷるるるるる
「あっ!お母さん!?」
『紗奈?紗奈なのね?』
「そうだよ!紗奈だよ!お母さんっ!あのね、今〇〇公園っていうとこにいるの!迎えに来れる??」
『え?〇〇公園?…あぁ、無理ね。私、紗奈のこと捨てたつもりだったし。』
え、?
捨てるって…なんで…。
「ど、どうゆうこと?捨てるってなに?ねぇ、なんで!!」
『だって、要らないし?紗奈、あんたのせいで、色んな男に逃げられたんだから。』
男?お父さんは??
「色んな男ってなに!?ねぇ!お父さんだけじゃないの?なに?男いたの!?」
゛そうよ。 ゛
「……っ、ひ、ひどいよ。あんまりだよ!見損なった。優しいお母さんじゃない。私のお母さんじゃない。貴方は誰ですかっ?」
『あなたのお母さんよ。』
嘘つきっ!
「捨てたくせに。さようなら。」
ブツっ
「ふぇっ……うぅ〜…っ、!…ご、ごめんなさいっ。電話番号間違えちゃったみたいで…、近くまで来てくれるそうなので、これで失礼しますね。」
どこに行こうか、
どこに住もうか。
どうやって…生きようか…。
「なあ、お前、どこに行く。ここに住めばいいじゃねぇか。」
…え?
「そ、そんなのダメだよ。これ以上迷惑はかけられない。たから、大丈夫。」
「迷惑じゃねぇから、言ってんだけど?」
「…っ、…ほ、ほんと?ほんとにいいの?」
゛あぁ。 ゛

