『…いや?


沙希も大変だな……』








はっ?










私はびっくりして北条を見た





『イロイロあるよ
俺は遺産で暮らしてるような奴だし…』





北条もこっちを見て私の頭をポンポンと撫でた








「復讐するには……生きるしかないから……」







『…うん』











お互い話をしなくなって いつの間にか寝ていたみたいだ







北条が掛けたであろう 布団が
二人を包んでいた







私はそっとそこから抜け着替えると部屋を出た










ふとリビングに入る






本当に誰もいない








さらに奥の部屋には仏壇があって 、前に写真立てが伏せてある

手に取るとその写真には








小さいが今とあまり変わりない北条と





大人の男と お婆さんが笑顔で映っていた






家族か…







あの話は



本当みたいだ…








そのまま北条の家を出て


アパートに帰った











北条は 私と似た人間なのかもしれない………