「お母さんと誰にも言わないって約束したけど、火菜ならいいよね!?」

「うん!話して。」

「分かった。お母さんはゴメンねって誤るんだ。普通のお母さんみたいに側に居てあげられなかったからって…」

「だから、僕、全然怒ってないよって言ったんだ。」

 火菜は頷いて、

「エライよ!勇、お母さんの事、許してやったんだね。」

と、優しく言った。

「うん。そして、ここに居たら危ないから火菜と逃げなさいって言ってた。」

 勇がゆっくり丁寧に話してくれるので、その間、頭の中ではいろんな疑問の答えが出ようとしていた。

(つまり、勇の母は正気だったのに、病気のフリをしてこの屋敷に残った。それは、勿論、勇を守る為だろう。

 そして、中条の病院に行ったのは、私たちの事を頼む為だったのかもしれない。

 しかし、弘輔に見られた事で美佐子にバレてしまった。

 やはり弘輔は、爆弾の導火線に火をつけていたのだ。