そしてその暴力の矛先は、ほとんどが私に向いていた。

 大人たちは片方をいたぶる事で、もう一人に恐怖を与えようとしたのかな!?

 でも、それは少し違う!!

 私達には、恐怖ではなく、「心の傷み」が残った。

 自分がヤラれるより、大切な人がイタぶられる所を見せられる方がツライ。


 だから、より傷ついていたのは勇の方かもしれない。

 でも勇はボロボロになった私を抱きしめてくれた。

 そして一晩中、母親が子供を寝かしつけるように、そっと背中を叩いてくれた。

 よく口元が切れたりしたから、優しくキスもしてくれたよね。

 そうやって勇がたくさん私に愛情をくれた。