(どうか出て下さい。)
弥生は祈る気持ちで、呼び出しコールを数えた。
3回、4回、そして5回めで電話は繋がった。
「ハイ。谷川です。」
その女性の声はまぎれもなく、火菜の母に違いなかった。
「もしもし、突然すいません。工藤です。勇の母です。」
「まあ!弥生さんね!!」
(弥生はやはりまともだったのだ。屋敷を出る時に「何かあったらTELして下さい」と、そっと弥生の手にメモ紙を握らせてきて良かった。と望は一瞬、喜んだが、火菜たちの身に何かあったのでは!?と不安にもなった。)
「ハイ。実はあまり時間がありません。私はこっそり屋敷を抜け出して来ているので…」
「分かったわ。それじゃあ手短に。」
「はい。実は、中条が末期のガンに犯されいて余命わずかなんです。」
(ああ、いつかこういう事が起こるのではと思っていた)
「そしたら、私、あの屋敷の中であの親子の話しを聞いてしまったんです。」
そこまで聞いただけで望は、悪い想像が頭を掠めた。
「あの親子は事もあろうか、中条の亡き後、二人を臓器売買のブローカーに引き渡すつもりなんです。」
弥生は祈る気持ちで、呼び出しコールを数えた。
3回、4回、そして5回めで電話は繋がった。
「ハイ。谷川です。」
その女性の声はまぎれもなく、火菜の母に違いなかった。
「もしもし、突然すいません。工藤です。勇の母です。」
「まあ!弥生さんね!!」
(弥生はやはりまともだったのだ。屋敷を出る時に「何かあったらTELして下さい」と、そっと弥生の手にメモ紙を握らせてきて良かった。と望は一瞬、喜んだが、火菜たちの身に何かあったのでは!?と不安にもなった。)
「ハイ。実はあまり時間がありません。私はこっそり屋敷を抜け出して来ているので…」
「分かったわ。それじゃあ手短に。」
「はい。実は、中条が末期のガンに犯されいて余命わずかなんです。」
(ああ、いつかこういう事が起こるのではと思っていた)
「そしたら、私、あの屋敷の中であの親子の話しを聞いてしまったんです。」
そこまで聞いただけで望は、悪い想像が頭を掠めた。
「あの親子は事もあろうか、中条の亡き後、二人を臓器売買のブローカーに引き渡すつもりなんです。」


