「分かりました。ではそうします。」

「ああ、頼む。くれぐれもマスコミに渡す事だ。警察ではダメだ。中条の息がかかっているからもみ消される恐れがある。」

 弥生はどこから見てもただのペンダントにしか見えない爆弾をまじまじとみつめていた。

「くれぐれも濡らさぬように。そしてこれはただの模様ではないんだ。」

 中条は弥生の手からペンダントを取ると、斜めにして

「こうやって見ると幾科学模様にアラビア文字が浮かびあがるんだ。」

「本当だわ!なんて書いてあるんですか?」

「I LOVE YOU 」

「まあ!素敵。」

「と言うのはウソだけど、『告発』だ」

「私は『愛してる』のほうが良かったです。」

 そう言うと弥生は中条にキスをした。

 二人の目から涙がこぼれ落ち、別れの言葉の代わりになった。