しかし、

「それでは、お参りをさせて下さい。」

とテレビマンたちは、半ば強引に屋敷へと向かった。

 これを聞いていた、美佐子にも、政治がらみと言われれば、断りようがない。

 これは大輔の審判を仰がなければと、父を探した。

 大輔は、式場に一人やっと終わったと言わんばかりにポツリと腰掛けていた。

 その背中がやけに小さく見えた美佐子は、声を掛けるのは躊躇われたが、仕方ない。

「お父さま。実は…」

「何!?また問題か?なんか今日一日でだいぶんあの世に近づいた気がするよ。」

と力なく答えた。

「はい。実は、今、屋敷の方にテレビ局が来ていて…」

と説明していった。

「そうか。それは無下には扱えんな!」

「でもおかしくありませんか?中条が施設に寄付するなんてありえないわ!」

「でもまあ、それはウソにしてもテレビ局が動いたのは間違いないだろう。ここは取材に協力する他、あるまいな、」

 美佐子もこれには反論の余地もなかった。