「ああ、そうだ。チャンスは明日しかない。告別式が終われば、すぐにお前たちはお払い箱だ。」

「明日の夜にココを出るの?」

「いや、もう計画のほとんどが向こうにバレている。だから、先に動いた方が有利だろうと思う。でも、児島家の事は知られてないハズだから、そこは安心だ。」

 まだ行く場所があると聞いて、ホッとする火菜だったが、

「でも、勇は大丈夫?行くとこあるよね!」

「それも、児島家でしばらく匿ってもいいそうだ。あそこは『離れ』もあるしな。」

 それを聞いてとりあえず火菜は安心したが、

「おっちゃん。実は、勇のお母さんが…」

「ああ!その事だろう。弥生さん、まともだったらしな。しかも、ボスの病院に会いに行った。」

「そうなの!私ビックリしたけど…そして勇にも接触してて、色々話をしてるみたい。内容はまだ詳しくは聞いてないけど…」

「そうか。あの人だって危ないな。まともなら尚更、口封じの為に消されるかも知れないな。」

「一緒に逃げられたらいいけど…」

「そうだな…あの人の部屋は離れてるからな。」

 源がそう言った所で、廊下が騒がしくなった。