火菜は相変わらず、自分の部屋のベットの上で、ゴロンと横になり色んな事を考えていた。

 その中でも一番気掛かりなのは、おっちゃんの事だった。

(もしかしたら、もう助けてくれないのかもしれない。)

 そう思うと悲しみが見る見るうちに満タンになって、火菜の心は押しつぶされそうになる。

 丁度、その時だった。

 窓ガラスがトントンと叩かれたのは…!

 火菜はカーテンを閉めていたので、少しだけ開けて外を見ると、ベランダに源が立っていた。

 火菜は急いで、ロックを外し、窓を開けると源を中に入れた。

 そしていきなり抱きつくと、

「もう会えないかと思ってた。」

 火菜は、今まで堪えていた涙が一気にあふれ出た。

「バカ!もう少し俺を信用しろ。」

と、源は火菜の頭を掻きむしってやった。

「でも、随分待たせたな。さあ!時間がない。明日の為に打ち合せしないと…」

「やっぱり明日なんだね。」