大輔はもうこれ以上、美佐子を責めても始まらないと、

「よし!それじゃあワシもこれから病院に行こう。念のため、アイツの私物も調べないとな。」

「そうですね。それじゃあ病院で会いましょう。」

 美佐子は、電話を切るとやっと実感が湧いてきた。


(ねずみどもめが、お前らの作戦なんて先回りして全部潰してやる!)

 鏡に全身を移しながら、美佐子は真っ黒いワンピースを選んで着用し、ニッコリ微笑んでみせた。