その頃、火菜は眠れぬ夜を過ごしていた。

(おっちゃんに、言わなければならない事がたくさんあるのに、肝心な時に来ないなんてどうしたんだろう…)

 色んな考えが浮かんでは消え、火菜を不安の底に突き落としていく。

(今、完全に負けている。私達に勝機はあるのか!?)

 火菜は、混乱していたが、本当に大きなダメージを受けるのは数時間後だという事をまだ、この時点では知る由もなかった。