勇は私に、

「火菜を愛している」

といいました。

 あの子にとってはアナタが義理の妹だろうが、そうじゃなかろうが関係ないのでしょうが、アナタはどうでしょうか?

 この事は絶対アナタに伝えなくてはと思いペンを取りました。

 望さんの住所は別紙の通りです。必ず元気な姿を見せてあげて下さい。


 弥生は、勇が訪ねて来る前に急いで、火菜へと手紙をしたためて、これも一緒にペンダントに入れた。

 すると、突然ドアが開いたので、ビクッとしたが入ってきたのは、勇だった。

「時間通りね!」

「うん!約束は守らなくちゃ。」

「そうだね、勇。」

 それから弥生は、火菜の手紙に書いた事を一応説明したが、

「そして勇。ここからがとても大事なとこだから絶対忘れないでね。」

 弥生は首から下げていたペンダントを二つ外すと、


「青いのを勇が持って、こっちのハート型のは、火菜ちゃんにあげて!明日会ったらちゃんと渡してね。」


 まさかこれでお別れだと思わない二人は

「じゃあね。おやすみ。」

「うん。おやすみ。」

と簡単に別れた。

 弥生は、外の見張りが気になって仕方なかったのだ。