サクラは春の訪れを告げ僕達を急かし「早く大人になれ」と囁いている。


「大人になれ」
その言葉は僕達の心に深く突き刺さる。

これは僕のつい最近の話


僕の学校の僕の学年はほかの学校の子から見ると「おかしい」らしい。
僕のいた学校は『格差』というものが日常茶飯事だった。

男子は女子より弱く、女子の中ではあのどこかのドラマのような【軍】というものが暗黙の了解で作られていた。
1軍は、3人程度 。2軍は14人。残りの1人、つまり僕は一番下だ。

1軍の3人は特に頭がいい訳では無い。女子全員を従えるほどの信用を持っている奴らだ。

2軍はいかにも普通に1軍の3人に従えるだけの人。

3軍の僕は従うも何も個人行動しかしない一匹狼のようなもの。昼休みは基本保健室で委員会の仕事か、読書をしている。時々2軍の何人かがカルタをしに遊びに来る以外は平和な自分の居場所だった。