「あ〜今日もやっと一日が終わった」

俺は野球部の特待生として県内ではあるが寮生活を送りながら学校に通っている。
正直、慣れない生活と明らかに中学の頃の練習内容とは違うハードな部活で疲れきっていた。
特に俺は、教養課程という進学希望の科だから勉強も追い着いて行くのに必死で毎日が両立との戦いだった。

今日は先輩達の地区大会で応援隊として大会に参加していた。
その日も帰りは寮。
今までとは違い、母がしてくれていた洗濯やらなんやら全て自分で疲れて帰ってもしないといけない。
そんな現実を受け止めるのには凄く時間がかかった。
だから寮に帰るのにも憂鬱…
「あ〜めんどくせぇ」
そう心の中で呟きながら野球仲間と帰った
すると、寮前のグラウンドに人だかりができてる。しかも、野球部ばかり?
なんだなんだって思いながら先輩がいるから、とりあえず「こんちわ!」挨拶。
近くに行くと、女の子ふたりが先輩のノックを受けてて1年野球部等が捕り方とかを教えてるらしい。
その子達は未経験者なのか軽いゴロさえもトンネル三昧。
「こいつら捕球の仕方下手くそすぎ笑」とか思いながら、見てた。
そんな時、ショートカットの女の子が鷹さんと笑いながら話してるのを見てドキってした。
前髪がななめ…
「めちゃくちゃ可愛い。やべぇ」
その子は、凄く明るい印象でボーイッシュ感のある女の子だった。
けど、その子は鷹さんと話してるからきっと鷹さんの彼女なんだろうな。
「いいな〜鷹さん羨まし」
そう思いながらも、疲れきっていた俺は早く帰りたくてずっとその光景を見てる友達に「はよ帰ろうよ」ってはやし立ててた。
だって、マジで汗くせーしはよお風呂に入って事済ませて寝たかった。
だから、俺はその女の子の事はその時だけでなんも深くは考えなかった。
先輩の彼女だし、手出すわけにもいかねーからな。